補聴器の買い方、選び方、認定補聴器技能者が教えます!

※2022年05月貸出し情報更新
補聴器の買い方、選び方はなじみがないもの。ここでは認定補聴器技能者がはじめてのかたでも安心して補聴器が買える!選べる!方法をご紹介します。

認定補聴器技能者 西 清二さんに、補聴器の買い方、選び方についてお話を伺いました。

目次

・補聴器ってなに?/補聴器はきこえを補う医療機器です。
・補聴器が必要なレベルは?
・補聴器はどこで買えるの?/お近くのビジョンメガネもしくは補聴器販売店で
・補聴器販売店を選ぶポイントは?/近くて通える場所にあるお店を選ぶ!
・補聴器販売店では何をしてくれるの?/補聴器選びの前に、きこえの状態をチェック!
・補聴器にはどんな種類があるの?価格は?/主に4つの種類、価格はさまざまです。
・補聴器とよく似た集音器
・最適な補聴器の選び方は?/聞き比べをしましょう!

補聴器ってなに?/補聴器はきこえを補う医療機器です。

補聴器は、「難聴」つまり、きこえが低下してきた人・きこえが不自由な人に対し、それぞれ個人が聞きたい音をきこえるようにすることで、日常生活や社会とのコミュニケーションをサポートするものです。管理医療機器(クラスⅡ)に認可されている医療機器ですので厚生労働省が定める事項に基づき、正式な認定を受けない限り、製造や販売ができません。

補聴器が必要なレベルは?

聴力の低下は加齢によるもの、精神的ストレス、耳あかのつまりなど原因は様々です。 「きこえにくい、きこえていないかも」と思っても、状態によっては補聴器が必要ない場合があります。お店でもきこえの状態を調べることはできますが、はじめてなので不安という場合は、お店に行く前に耳鼻咽喉科(補聴器相談医)の受診をおすすめします。急激に聴力が低下した、突然片耳がきこえにくくなった場合は、必ず耳鼻咽喉科(補聴器相談医)を受診してください。

補聴器はどこで買えるの?/お近くのビジョンメガネもしくは補聴器販売店で

補聴器に馴染みがないと、補聴器がどこで買えるのか、どうやって選べばいいのか分からないですよね。補聴器は補聴器専門店もしくは、補聴器販売のあるメガネ店でも購入できます。ちなみにビジョンメガネは全店補聴器販売店です。また、補聴器のご購入には、お使いになるご本人のご来店が必要です。

補聴器販売店を選ぶポイントは?/近くて通える場所にあるお店を選ぶ!

補聴器は、購入した直後から快適に使えるというものではありません。 せっかく補聴器を買ったのに、実際に使い始めると「使いづらい、きこえすぎてうるさい」などと、補聴器を使わなくなってしまったという話をよく伺います。補聴器は、ご購入後に日常生活でお使いになりながら点検と微調整を繰り返し、最適なきこえへとフィットさせていくことが必要です。また、補聴器は精密機器のため、ご自宅ではできない専用の機械によるクリーニングなど、メンテナンスも必要となります。せっかく購入した補聴器を無駄にせず使い続けていただくためにも、以下3つのポイントに注意してお店を選びましょう。
①お使いになるかたが無理なく通える場所にあるお店(ご自宅から近く歩いて行ける距離にある、など)
②定期的に調整・点検などのメンテナンスを受けられるお店かどうか
③保証サービスが充実しているか

補聴器販売店では何をしてくれるの?/補聴器選びの前に、きこえの状態をチェック!

加齢による聴力の低下は、高い音からきこえにくくなりはじめ、賑やかな場所や雑音の中での会話の聞き取りや理解が難しくなっていき、徐々に進行することがあります。自覚症状がないため、まずはどこまで進行しているか聴力と言葉の聞き取りの状態を調べます。

聴力は一般的に、オージオメータという機械を使ってチェックします。学校の検診で経験したことがある人もいると思いますが、ヘッドホンを装着して片耳ずつ音の高さを変えながら、どの高さの音がよくきこえるか、きこえていないのかを調べます。次に、「あ」「い」といった単音や、「うし、いし、いす」「“広い”と”白い”、“魚”と”高“佐藤さん”と”加藤さん”」など、言葉がちゃんと聞き取れているかのチェックを行います。

補聴器にはどんな種類があるの?価格は?/主に4つの種類、価格はさまざまです。

補聴器の種類は大きくわけて4つです。

耳あな型

耳の中に入れ装着する補聴器です。人の耳の形状や大きさ、耳の構造は一人ひとり異なるため、お使いになるかたの耳型を取り、オーダーメイドでお作りする補聴器です。小型で軽量、スッポリと耳の中に入れるタイプのためほとんど目立たないうえ、メガネやマスクをつけても邪魔になりません。スポーツをするときもズレにくいので、スポーツをされるかた、お仕事や趣味で体を動かすことが多いかたにもおすすめです。

耳かけ型

補聴器の本体を耳にかけ装着し、細くて小さなチューブを通して音を耳道へ届けるタイプです。耳に深く挿入しないので装用感は快適です。さまざまなサイズや形、色があるため、髪の色やお好みに合わせて選ぶこともできます。操作が簡単で最近では充電式のタイプも登場しており、電池の買い忘れや電池交換の煩わしさがありません。

ポケット型

見た目は小型ラジオのような補聴器です。本体とコードでつながっているイヤホン部分を耳に入れ、本体でスイッチとボリュームを操作します、手元で操作できるため、使いやすいタイプです。ポケット型のイヤホンは、基本片耳のみですので、両耳で使用したい場合は別途両耳用のイヤホンを用意する必要があります。

骨伝導型

頭蓋を振動させ、音を蝸牛(内耳)に直接届ける仕組みです。従来の補聴器と違い、外耳、中耳を経由せず内耳に音を伝えることができるため、例えば外耳と中耳に障害があるなどの場合でも、きこえの改善が見込めます。メガネタイプ、カチューシャタイプ、埋込タイプなどがありますが、まだまだ製造メーカーも取扱店も少ない補聴器です。

補聴器の価格はさまざま

補聴器は、小さな本体の中に高度で精密な機能が搭載されており、それによって一人ひとりに合わせた音の調整が可能になっています。価格は器種やメーカー、搭載されている機能により異なり、片耳5万円程度から50万円以上と高額なものまで幅広くなっています。

[例/補聴器のスペックと価格]
耳かけ型(片耳価格※非課税)

販売価格 5万円
適応聴力レベル 軽度~中等度
電池 電池式(1個:約175時間)
主な機能 ・8チャンネルデジタルシステム
・補聴器からの音漏れによるピーピー音を抑える機能
・エアコンなどの少し気になる音を抑制える機能
・押しボタン方式の音量調整機能
・周囲の音を集音する方向は前に固定
・3種類の環境に合わせたプログラム切替機能
・防水、防塵(IP67)
・電池交換のお知らせ音機能
メーカー保証 2年修理保証付(自然故障が対象)

 

販売価格 50万円
適応聴力レベル 軽度~中等度
電池 充電式(フル充電時:約30時間)
主な機能 ・世界初、3つのマイクを搭載
・原音に近い再現力でヒト本来のきこえに近づける機能
・補聴器からの音漏れによるピーピー音を抑える機能
・音の方向や距離を立体的に把握する機能
・聞きたい音声を自動で探知する機能
・周囲の状況を自動分析して雑音を抑える機能
・周囲の状況を自動分析して音量を調整する機能
・周囲の環境音を適切に取り入れながら、会話と環境音のバランスを判断し、最適で自然なきこえを届ける機能
・特に騒がしい環境で、正面にいる相手との会話にフォーカスできる機能
・スマートフォンとの連携機能
 -ご自身での調整が可能
 -iPhoneやAndroidなどの端末に直接接続し、電話やダイレクトストリーミングで音楽を楽しむことが可能
 -アプリ使用下で電池残量の確認が可能
・充電器内臓バッテリーで補聴器本体3回充電可能なので1週間の旅行も電源不要
・防水、防塵(IP68)
メーカー保証 2年修理保証付(自然故障が対象)

補聴器とよく似た集音器

よく間違われるものに、見た目は補聴器と同じなのに補聴器とは違う製品があることを知っておきましょう。 新聞広告などで多く紹介され、通信販売で手軽に購入できる補聴器のような製品は「集音器」と呼ばれるもので、見た目は補聴器と変わりませんが、機能は補聴器と大きく異なります。

集音器は、比較的正常な聴力で音を大きくクリアに聞きたい人に対し、音量・音質を調整し周囲の音を大きくきこえるようにする音響機器(イヤホン)の役割をするもので一般の店舗や通信販売で購入できます。補聴器が良くて、集音器が悪いというわけではありません。きこえの状態、改善したい目的によって選ぶことをおすすめします。

最適な補聴器の選び方は?/聞き比べをしましょう!

補聴器の種類は4つでも、さまざまな器種があり、メーカーによっても特性が異なります。 ご本人とご家族が「これがいい!」と思っても、きこえの状態やお使いになる環境によって合う・合わないがあります。補聴器はご購入前に必ずきこえ具合や装用感、メーカーによる違いを実際に試聴して確認しましょう。

「高い物を買ってしまった・・・」「お店の人に推されたのでコレにした・・・」とならず、ご本人にあったものを納得して購入するためにも、慌てず「これかな」と思う補聴器は、お店の「貸し出しサービス」を利用しご購入前にご自宅や職場など普段の生活でちゃんときこえるか、使い方に不便がないかを確認しましょう。貸出サービスの内容もお店によって期間や価格が異なりますので、お店選びの参考にしてください。

[各社補聴器貸し出しサービス内容比較]※2022年5月時点

  貸出し期間 価格
M社 2ヶ月~最長3年 1日110円
S社 最長2週間 3,000円
A社 2週間 3,300円(税込)
ビジョンメガネ 2週間 0円

補聴器をご検討の際は、ご家族も一緒にお店へ

「補聴器をつけること」は、ご本人にとって老いを実感させられると、抵抗のあるかたも少なくありません。 きこえづらさをご本人がなんとなく実感し気にしていても、とてもデリケートなことです。ましてや、はじめての補聴器購入は、それだけで不安で緊張します。お店の人へ困っていることを十分に伝えられなかったり、説明を聞き逃したりしないためにも、ご家族のかたが一緒にお店へ行ってあげてください。補聴器をお使いになるには、ご家族や周囲の理解と協力が必要です。ご家族が一緒だと、きっとご本人も心強く安心です。

補聴器で改善できること不安など、どんな些細なことも聞いてみましょう

きこえのことでご本人が困っていること、改善したいことをできるだけ詳しくお店の人へ伝えてください。 ご家族の意見も、お店の人が最適な補聴器を選びご提案するための参考になります。ご家族がお気づきのこと、一緒に解決したい問題も伝えてください。相談は、ほとんどの補聴器取扱店が、無料で受付けています。補聴器で改善できることだけでなく、補聴器に関する疑問や不安、価格や器種による違いなど、どんな些細なことでも遠慮なく相談してください。
先に述べたとおり、補聴器はご購入後の調整・点検などのメンテナンスが重要なものです。お店の人に些細な不安や不具合を相談できるかは、今後長くお付き合いできるお店であるか、お店選びの大切なポイントになります。また、事前に来店予約ができるお店もあります。補聴器のことをじっくり落ち着いて相談するためだけでなく、新型コロナウイルスへの感染リスクを防ぐためにも、来店予約を活用してください。

補聴器には、ご家族も一緒に慣れていきましょう

繰り返しになりますが、補聴器は、ご購入してもすぐにきこえが改善するというものではありません。 きこえは、音を聞き取る能力「聴力」が低下し衰えていくことできこえにくくなっていきます。聴力が低下した期間が長いと補聴器をつけても、すぐにきこえの状態は戻りません。それより、補聴器をつけることで今まできこえていなかった音が一気にきこえるため「うるさい!」と感じることが多いです。
補聴器の使い始めは小さな音で短い時間だけ使うことから始めて、徐々に装用時間を長く、音を大きくしていきながら、お店のかたにどのような音が聞き取りにくいのか、うるさく感じるのかを伝え調整を繰り返し、時間をかけ根気よく慣れていくものです。
ご家族もそのことを理解し、ご本人と一緒に補聴器のある生活にゆっくり慣れていきましょう。

ビジョンメガネでは、ご購入後も定期的にご相談やメンテナンスを受けていただきやすいよう、3ヶ月毎におハガキにてメンテナンス時期をご案内しています。また、お電話やWEBから来店予約も受付けています。ご自身のこと、ご家族のこと、補聴器ってどんなもの?など聞いてみたいと思ったらお気軽にご相談ください。

▼今のきこえの状態をチェックしたいかたへ
きこえるってどうゆうこと?補聴器でできることって何?ご家族やご自身の今のきこえをセルフチェックできます。
耳のこと補聴器のこと(PDF)でぜひお役立てください。

 

 

ビジョンメガネは、お客様一人ひとりにとって
"最高の見える"を実現します。