こどもの目の日・三歳児健診における屈折検査について

2023年3月1日、6月10日が「こどもの目の日」として登録されました。
ここでは「こどもの目の日」について、また三歳児健診の屈折検査の重要性について解説します。

◆目次◆
1)6月10日は「こどもの目の日」
2)弱視とは?
3)三歳児健診の重要性
4)三歳児健診の屈折検査(視覚検査)の流れ
5)治療用眼鏡の保険適用と子ども医療費の補助金
6)眼鏡店でのメガネ購入の流れ

1)6月10日は「こどもの目の日」

6月10日は「こどもの目の日」です。
子どもは6歳頃までに視力1.0に達すると言われています。一方視力1.0に届かない弱視の早期発見や治療、近年低年齢化する近視の予防にとって、6歳で視力1.0は大切な節目であると考えられています。
そこで「はぐくもう!6歳で視力1.0」という願いを込めて、日本眼科啓発会議において6月10日を『こどもの目の日』として記念日登録されました。


“生まれたばかりは僅かしか見えない赤ちゃんも、その後成長し、6歳くらいまでには視力1.0を得ます。一方で、1.0に届かない「弱視」の早期発見・治療や、低年齢化する近視発症の予防にとって「6歳。視力1.0」はとても大切な節目と考えます。そこで、「はぐくもう!6歳で視力1.0」という願いを込めて、6月10日を『こどもの目の日』に相応しい日と捉え、記念日の一つとして登録された次第です。”

引用:公益社団法人 日本眼科医会『6月10日『こどもの目の日』記念日制定』

https://www.gankaikai.or.jp/school-health/detail/kodomonome_610.html,(参照2023/5)

2)弱視とは?

弱視とは、眼鏡をかけてもよく見えない状態を弱視と言います。
人間の目は0歳で0.1くらいの視力しかなく、3歳頃に大人と同じ視力に達するとされています。この視力の成長期に、何らかの邪魔が入ることで視力の成長が止まり、眼鏡をかけてもよく見えない状態のことを「弱視」と呼ばれています。

ただし、視力検査だけで弱視と判断するわけではなく、眼科医が目に他の病気がないことや屈折検査や斜視検査などをもとに総合的に判断し、弱視になる可能性が高いと判断すると予防的に治療を開始します。

視力の成長は、臨界期(10歳頃まで)を過ぎると治療に反応しにくくなるため、早期に治療を開始すると、治療に反応して視力が改善すると言われています。治療の目標は、眼鏡をかけて1.0の視力が出ることを目標とされています。


“0歳では0.1ぐらいの視力しかなく、3歳ごろに大人と同じ視力に達するとされます。”
“この視力の成長期に、何らかの邪魔が入って正常な視力の成長が止まってしまい、眼鏡をかけてもよく見えない状態を「弱視」と呼びます。”
“ただし、弱視は除外診断と呼ばれ、他に目の病気がなにもないと確認することが重要です。そのため、しっかり検査できる年齢になるまで、本当に弱視と判断することは難しく、視力検査だけで弱視と判断するわけではありません。屈折検査や斜視検査などを総合的に判断して、弱視になる可能性が非常に高いと判断すると、予防的に治療を開始します。”
“視力の成長は、他の成長と同じくいつかは止まり、臨界期(感受性期=10歳頃まで)を過ぎると治療に反応しにくくなります。早期に治療を開始するほど、治療に反応して視力が改善していきます。治療の目標は眼鏡をかけて1.0の視力が出ることです。

引用:日本弱視斜視学会『弱視とは』
https://www.jasa-web.jp/general/medical-list/amblyopia,(参照2023/5)

3)三歳児健診の重要性

子どもの目は3歳頃までに発達し、6歳〜8歳頃にほぼ完成するとされています。この成長期に視力の発達が妨げられると、生涯弱視の状態になると言われています。三歳児健診で弱視が早期発見できれば、就学時までに正常な視力の獲得に向けて治療が可能とされています。


“子どもの目の機能は3歳ごろまでに急速に発達し、6歳から8歳ごろまでにほぼ完成します。この時期に視力の発達を妨げる要因があると発達が停止し、一生涯視力不良の状態「弱視」となります。”
“すべての3歳児は全国の自治体で3歳児健康診査を受けることになっています。ここで弱視が早期発見できれば、治療により就学時までに正常な視力が獲得できます。”

引用元:日本眼科医療機器協会『3歳児健康診査における屈折検査の重要性』
https://www.joia.or.jp/annual_report/annual-report-2022/p5/,(参照2023/5)

4)三歳児健診の屈折検査(視覚検査)の流れ

市区町村が母子健康法に基づいて行う、満3歳を超え満4歳に達しない幼児が対象となる健康診査です。

①一次検査(家庭)

ご家庭で行う簡単な視力検査とアンケートへの記入。
左右の視力が0.5あるか、お子様の目で気になることがないかをご家庭で調べ、二次検査へ持参する。
二次検査、眼科精密検査は、一次検査の結果から再検査が必要と判断されたお子様が対象となるため、ご家庭の一次検査とアンケート記入はとても大切です。

②二次検査(健診会場)

健診会場で行なわれる検査で、ご家庭で視力検査ができなかった時や、0.5の視力が確認できなかった時、目で気になることがあるとアンケートに記入された時に検査を受けます。

③眼科精密検査(眼科医療機関)

二次検査で「精密検査依頼票」を受け取ったお子様は、眼科にて精密検査を受けます。

3歳児健診における視覚検査アンケートより3歳児健診における視覚検査アンケートより

公益社団法人 日本眼科医会が発行する『3歳児健診における視覚検査マニュアルPDF』はこちら
https://www.gankaikai.or.jp/school-health/2021_sansaijimanual.pdf

5)治療用眼鏡の保険適用と子ども医療費の補助金

眼科医の指示により治療用眼鏡を作成した場合に、治療用眼鏡の作成費用として最大38,902円が、健康保険と子ども医療費より助成されます。
諸条件に合致する場合に助成を受けることができます。

●対象となる方

・健康保険に加入者
・健康保険適用であること(弱視、斜視、先天性白内障術後の屈折矯正、いずれかの診断を受けている)
・年齢が9歳未満
・上記かつ前回の助成から一定期間空いていること(5歳未満:前回の作成から1年以上経過、5歳以上:前回の作成から2年以上経過)

●助成額

上限額:治療用眼鏡 38,902円
上限額は、基準価格の100分の106に相当する額を上限とする。基準価格36,700円×1.06=38,902円

・未就学児:[健康保険8割] + [子ども医療費助成制度(自治体)]
・就学児:[健康保険7割] + [子ども医療費助成制度(自治体)]

(例1)治療用眼鏡作成費用:30,000円の場合の健康保険支給額
・未就学児:30,000円×0.8=24,000円
・就学児:30,000円×0.7=21,000円

(例2)治療用眼鏡作成費用:50,000円の場合の健康保険支給額
・未就学児:上限額38,902円×0.8=31,122円
・就学児:上限額38,902円×0.7=27,231円

※子ども医療費助成制度は、自治体によって異なります。詳細については、お住まいの自治体にご確認ください。

出典
・厚生労働省『補装具の種目、購入等に要する費用の額の算定等に関する基準』
https://www.mhlw.go.jp/content/001081660.pdf,(参照2023/5)
・厚生労働省『治療用装具に係る療養費の支給の留意事項等について』
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/dl/230323_03.pdf,(参照2023/5)

●申請方法

ご加入の保険機関に、必要書類を提出します。

①療養費支給申請書
②医師による証明書:治療用眼鏡の作成指示書(意見書)
③領収書:眼鏡店で購入した際の領収書または費用額を証明するもの
④保険証
⑥印鑑

●申請の流れ

①眼科を受診し、治療用眼鏡作成指示書(処方箋)を受け取る。
②眼鏡店に①を持参し、眼鏡を作成、全額を支払い領収書(費用額を証明するもの)を受け取る。
③ご加入の保険機関より、療養費支給申請書を受け取り、必要事項を記入する。
④ご加入の保険機関に、①②③を提出する。
⑤補助金の受け取り。

※必要書類や申請方法は、自治体によって異なる場合があります。詳細については、お住まいの自治体にご確認ください。

6)眼鏡店でのメガネ購入の流れ

①眼鏡店へ

・眼科で処方された治療用眼鏡作成指示書(処方箋)を持参する。

②レンズ選択

・レンズのグレードによって、見え方や見え心地は変わります。お子様に合ったレンズを選びましょう。

③フレーム選択

・お子様のお顔のサイズに合い、治療用として最適なフレームを選びましょう。

④ご購入

・一旦全額を支払います。

⑤眼鏡の受け取り(後日)

・きちんと見えるように、お子様のお顔に合わせてフィッティング調整してもらいましょう。

⑥定期メンテナンス

●9歳未満のお子様の場合
・医師の指示に沿って定期的に眼科を受診しましょう。
・お子様は大人に比べ、取り扱いに不慣れなためメガネに歪みが発生しやすくなります。そのためメガネの機能を発揮させるために、眼鏡店で見え方や掛かり具合の調整を行ないます。眼科受診のタイミングや1ヵ月に一度程度、眼鏡店でフィッティングを行ないましょう。

●9歳以上のお子様の場合
・成長期のお子様は視力の変化がしやすいため、定期的な眼科受診をおすすめします。
・眼鏡店で視力測定を行なった場合に、視力変化が見られた時には眼科受診をご提案することがあります。
・小学校高学年になるまでは1ヵ月に一度程度、高学年のお子様は3ヵ月に一度程度の目安で、眼鏡店でフィッティングを行ないましょう。


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