目の悩みの原因は「ピント調節力!?」ミドル世代の悩みの正体とは【第2回】

日々の「目のストレス」の正体、知りたくありませんか?その原因は、私たちの目の中にあるカメラのレンズのような「ピント調節力」が年齢とともに自然に変化することにあります。目がピントを合わせようと無理をすることが、眼精疲労や肩こり、頭痛といった不調を引き起こしていたのです。
原因を知ればもう大丈夫。次のステップであなたに合った解決策を見つけましょう。
目次
1)前回のおさらい:チェックリストで見えた「目のストレス」のサイン
2)不調の正体。カメラのレンズと同じ「ピント調節力」とは?
3)なぜ衰えるの?ピント調節力と年齢の関係
4)「見る」を頑張ることが、なぜ頭痛や肩こりに繋がるのか
まとめ:原因が分かれば対策できる。次は「解決策」の話
1)前回のおさらい:チェックリストで見えた「目のストレス」のサイン
【第1回】目のストレスかも?ミドル世代の24時間シーン別チェックリストの記事では、24時間の生活シーンに潜む「目のストレス」をチェックしていただきました。
- 「スマホの文字を以前より少し腕を離して見ている…」
- 「遠くから手元に視線を移すとピントが合うのに時間がかかる…」
- 「夕方になると目の奥がズーンと重く肩がこる…」
「これ、まさに私のことだ!」と感じた方も少なくないのではないでしょうか。今回の記事では、多くの方が経験するこの「目のストレス」の正体と、なぜそれが頭痛や肩こりといった全身の不調に繋がるのか、そのメカニズムを眼鏡のプロの視点から分かりやすく解説します。
2)不調の正体。カメラのレンズと同じ「ピント調節力」とは?


私たちの目の中には、「水晶体」というカメラのレンズのような役割をする組織があります。私たちは物を見る時、この水晶体の厚みを変化させることでピントを合わせています。近くを見る時は水晶体を厚くし、遠くを見る時は薄くする。このピント合わせを無意識のうちに常に行なっているのです。
この水晶体の厚みをコントロールしているのが「毛様体筋」という筋肉の力です。この筋肉の力こそが「ピント調節力」の正体です。若い頃はこの筋肉がしなやかで、水晶体の厚みをスムーズに変えることができます。しかし、年齢を重ねると、誰しもその力は少しずつ弱まっていきます。
参照:公益社団法人 日本眼科医会 40代で始まる目の老化『2.どうして老眼になるの?』 https://www.gankaikai.or.jp/health/37/
3)なぜ衰えるの?ピント調節力と年齢の関係
「ピント調節力」の低下は、身体の他の筋肉が年齢と共に柔軟性を失っていくのと同じ、ごく自然な変化です。決して特別なことではありません。
一般的にピント調節力は10代をピークに少しずつ低下しはじめ、40代になると多くの方がその変化を「見えにくさ」として自覚し始めます。腕の力が少しずつ弱くなっていくように、目の筋肉の力も変化していく。まずは、その事実を自然なこととして受け止めることが大切です。
4)「見る」を頑張ることが、なぜ頭痛や肩こりに繋がるのか

では、ピント調節力が低下すると、なぜ目だけでなく、頭や肩にまで不調が及ぶのでしょうか。それは、ピントが合いにくくなった状態でも、私たちは無意識に「なんとか見よう」と頑張ってしまうからです。
1.目の筋肉が、常に緊張状態に
ピントを合わせる「毛様体筋」が、以前より何倍も力を入れて無理をするため、目が常に緊張状態になります。これが「眼精疲労」です。
2.不自然な姿勢で、首や肩に負担がかかる
手元の文字を見ようと顔を近づけたり、逆に見えにくさから腕を精一杯伸ばしたり、無意識に不自然な姿勢をとりがちです。この無理な姿勢が首や肩の筋肉に負担をかけ「肩こり」を引き起こします。
3.筋肉の緊張が、頭痛を引き起こす
目や首、肩周りの筋肉の緊張が続くと血行が悪くなります。この血行不良がズキズキとした「緊張型頭痛」の引き金になることも少なくありません。
つまり「なんとなくの不調」だと思っていたものの根本には、『ピント調節力の低下を、身体が無理やりカバーしようと頑張り続けていた。』という事実が隠れている場合があるのです。
参照:公益社団法人 日本眼科医会 40代で始まる目の老化『6.老眼をほうっておくと?』 https://www.gankaikai.or.jp/health/37/
まとめ:原因が分かれば対策できる。次は「解決策」の話
今回の記事で「目のストレス」の正体とそれが引き起こす不調のメカニズムをご理解いただけたでしょうか。大切なのは「歳のせい」と諦めるのではなく、不調の背景にある原因を正しく知ることです。原因が分かればそこからあなたに合った対策、つまり「解決策」を見つけることができます。
次回の記事では、いよいよこの「ピント調節力の低下」と賢く付き合っていくための具体的な解決策についてお話しします。「遠近両用メガネ」だけではない、あなたのライフスタイルに合わせた様々な選択肢をご紹介しますのでぜひご覧ください。
もちろん「自分の場合はどうなのか、すぐに知りたい」と思われた方は、ぜひお近くのビジョンメガネの店舗へお越しください。あなたの毎日を快適にするための最適な答えを私たちが一緒に見つけ出します。