老眼対策はコンタクトとメガネどっちが正解?失敗しない選び方と賢い併用術
「最近スマホを以前より少し離さないと文字が読めない…」「長時間パソコン作業をすると目の奥がズーンと重くなる…」「少し薄暗い場所で本を読もうとすると文字が読みづらい…」、そんな目の変化(エイジングサイン)を感じ始めた時、単焦点のコンタクトレンズを使っている方が最初にぶつかる壁が「老眼鏡を作るべきか、遠近両用コンタクトレンズにするべきか」という悩みです。
「コンタクトレンズはずっと使ってきたけれど、老眼になったらメガネに戻るしかないの?」「遠近両用コンタクトレンズって本当に見えるの?」。結論から言うと「どちらか一つ」に絞る必要はありません。コンタクトレンズを使ってきた方にとって、目の健康と快適さを両立するためには、シーンに合わせた使い分け(併用)がおすすめです。
今回は政府の統計データや眼鏡のプロの視点から、コンタクトレンズユーザーに最適な「老眼対策」の選び方を徹底解説します。
目次
1)老眼対策、コンタクトとメガネどっちが良い?(徹底比較)
2)実は「併用」が最強。プロが勧める使い分けスタイル
3)データで見る「40代・50代のコンタクト事情」
4)失敗しない!遠近両用コンタクトの始め方
5)まとめ:あなたの毎日に「見る」自由を
1)老眼対策、コンタクトとメガネどっちが良い?(徹底比較)
まずは、見えれば同じと思われがちな「遠近両用コンタクトレンズ」と「遠近両用メガネ」の2つの違いを知りましょう。実はこの2つ「見え方の仕組み」が決定的に違います。

1.【遠近両用コンタクトレンズ】「脳」で見る
●仕組み
1枚のレンズの中に「遠くを見る度数」と「近くを見る度数」が同心円状に入っています。
●見え方
目から入った情報の中から、どの距離の情報を優先的に認識するかを「脳」が判断し、今見たいものを強調してピントを合わせます(同時視・どうじし)。
●最大のメリット
視線をキョロキョロ動かす必要がありません。スポーツ、運転、買い物など、視線移動が多いシーンでも自然な視界が保てます。
●デメリット
見える範囲を伸ばす分、少しくっきり感が劣る場合があります。また近用度数が強くなるにつれて、遠くの見え方がぼやける場合があります。
2.【遠近両用メガネ】「視線」で見る
●仕組み
1枚のレンズの中に、レンズの上部に「遠くを見る度数」、下部に「近くを見る度数」が配置されています。
●見え方
遠くを見る時は視線を真っ直ぐからやや上、手元のスマホなどを見る時は、視線を下げるといった視線の移動でピントを合わせます。
●最大のメリット
遠く、中間、手元の度数が配置されているため、それぞれの距離でピントが合いやすく、手元を長時間見る作業も目が疲れにくい設計です。
●デメリット
遠近両用レンズの視線の動かし方に慣れる必要があります。見え心地の良い(グレードの高い)レンズを選んだ場合は、料金が高くなることがあります。
3.コンタクトの上から「老眼鏡」を重ねる
今まで使っている単焦点のコンタクトレンズの上から、手元を見たい時だけ老眼鏡をかけるという方法もあります。手元の見え方は鮮明ですが、いちいちバッグからメガネを出してかけ外しするという動作は、想像以上にストレスがかかるものです。またパソコン作業をする人は、デスクトップのモニタやノートPCの画面が中間距離に位置するため、老眼鏡をかけただけでは見えない場合があります。「かけ外しが面倒!」「老けて見られるのが嫌!」と感じたら、遠近両用コンタクトレンズや遠近両用メガネへの切り替えの時です。
2)実は「併用」が最強。プロが勧める使い分けスタイル
「コンタクトレンズかメガネか、どっちか選べない!」という方へ。コンタクトレンズに慣れ親しんだ方には、平日の日中や外出時はコンタクトレンズ、帰宅後や休日はメガネというハイブリッドな使い方がおすすめです。
●アクティブな日は「コンタクト」
ゴルフやヨガ、旅行、マスクをして外出する日などは、コンタクトレンズが圧倒的に快適です。「老眼鏡をかけたり外したり」する手間がなく、同窓会やショッピングでも見た目を若々しい印象にキープできます。
●おうち時間や仕事は「メガネ」
長時間のPC作業や読書、ドライアイが気になる日はメガネが最適です。最近の遠近両用レンズは技術が進化しており、かつてのような「ゆれ・ゆがみ」がとても少なくなっています。
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3)データで見る「40代・50代のコンタクト事情」
「この歳でコンタクトレンズって私だけ?」と不安に思う必要はありません。総務省統計局による家計調査(家計収支編)「総世帯のコンタクトレンズ年間支出額の推移(2000年-2024年)」データ(※1)を見ると、総世帯におけるコンタクトレンズへの年間支出額は、2000年から2024年にかけて約2.0倍に増加しています。

これはコンタクトレンズに慣れ親しんだ世代が、40代・50代になってもコンタクトレンズを使用していることや、コンタクトレンズの種類が増えたことによる選択肢の多様化、コンタクトレンズの技術革新によって高保湿なレンズが登場していることなどによって、コンタクトレンズを使用する方が増えていることがうかがえます。
出典:総務省統計局 家計調査(家計収支編)総世帯 品目分類 ※1(https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0004023611)
4)失敗しない!遠近両用コンタクトの始め方
初めて遠近両用コンタクトレンズに挑戦する際、知っておいていただきたい重要なポイントが2つあります。


①はじめは「あれ?」と思っても大丈夫
遠近両用コンタクトレンズは、前述の通り「脳」が今見たい距離の情報を識別して見ています。そのため見え方に脳が慣れる(学習する)まで、数日〜2週間程度かかることがあります。使い始めに「少しぼやけるかな?」と感じても、それは失敗ではありません。焦らず少しずつ慣らしていきましょう。
②「保湿力」が高いものを選ぶ
年齢とともに涙の量はどうしても減少してくると言われています。長時間つけても乾きにくい、ハイスペックな素材(シリコーンハイドロゲルなど)を選ぶことが、快適なコンタクトレンズ生活の鍵です。
5)まとめ:あなたの毎日に「見る」自由を
遠近両用コンタクトレンズや遠近両用メガネなどの「老眼対策」は、年齢を感じるネガティブなことではありません。あなたの人生をよりアクティブに若々しく保つためのポジティブな選択です。あなたのライフスタイルに合わせて、コンタクトレンズとメガネを賢く選んでみませんか?
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